2017歯いた作品展ツアーその5

     心は、長い長いタイムトンネルを駆け戻り、ハグし感涙にむせび
           握りあった手を離しがたく。
    そうしているうちにたくさんの暖かな心が私を十重二十重に包み込んで
             また泣いている。
        一人一人を書こうと試みたけれどあっさり挫折。
       一人を書くのに1日分の記事を書いても足りないから。

        そして、会場での再会のみならず作品展放課後。


恵さんの家でスタッフでいてくれた人たちとその子供、恵さんの連れ合い。
子供と酒が飲める幸せをもらっちゃってるんですよ!
もう一人いるのですが写っていません。m(__)m
写真を撮るよりもっと大切な時間でした。
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美人ドクターとも思いっきり食べて思いっきり酒盛りしました。
美人宿主も朝ごはんはもちろん、忙しくても口に入れられるようにと工夫してつくってくれるお弁当。
そして、無礼にも遅くに帰って飯、風呂、寝るをやらせてもらい。
実はこのスタッフの集まりの夜から、悪行三昧に気が引けて私は恵さんの家に転がり込みます。
そして再び悪事は繰り返され…!
でも美人宿主は美人だから体が弱いけど、恵さんはじょんぶだから、いい。
あははは!来年泊めてもらえないかも。
恵さんは本当にいい女なんですよ。これホント!

まだまだうんとたくさんのことがありました。
筆者未熟過ぎて書ききれないのです。

幸せなことは初めて出会った人からもいただきます。
終了して、帰り着いてからご芳名いただいた方にお礼状を出します。
そのお礼状にお返事いただいたときの嬉しさと言ったら!
この度も初の方からいただきました。
作品を使っている写真を入れてくれる人もあります。
こんな時再び思います。
世の中にこんな素敵な便りをもらえる無名作家はそうはいないだろう!

まるで幽体離脱しているような時間を過ごし、会期が終了。
翌日午前、お茶屋さんで清算して、さて次です。
美人ドクターからの素敵な提案。
「残っている作品を院内で展示しましょう」
で、恵さんと一緒に病院フロアに搬入。
こうして2回目の作品展となりました。

その夜、恵さんは芝居の稽古日です。
家の鍵を渡されて「用事が済んだら家さきて居れ。わがった?」
言いつけをまもった私は用が済んで酒をぶら下げて家に帰る。
恵さんの連れ合いMさんが夕食中だった。
歯「飲も」
勝手に戸棚から好きなグラスを選んで二人分。
勝手に冷蔵庫を開けて恵さんが創っておいてくれたつまみを出して並べて乾杯。
女優が少し遅くに帰ってくる。
いきなり乾杯でガンガン食べる、飲む。

夜も更けて恵さんと二人。
工房にいてくれた頃恵さんは本当によく働いた。
それは、修行という世界を知らない人にはできない働きっだった。
私と結婚しているような生活を何年も何年も。
彼女がいてくれてこその秋田での仕事でした。
その彼女が、別れる日がやってきた。

そのころ私は、恵さんはとうとう陶芸家になるんだと思っていた。
私は次の作品展の構想に明け暮れていた。
その日その時、彼女は制作していた。
それは有名作家のデザインをそのままうつしているようなものだった。
歯「真似はやめたほうがいいよ」

その時彼女の中の華奢な張りつめた何かがぱりん、と壊れた音が聞こえた。
と私は今も思っています。
そして彼女は去りました。




作品展が終わって、この夜初めて本当の理由を聞きました。
それはようやく私の胸にすとんとおさまりました。

「先生でなければ私はこんなふうになれないんだもの」
恵さんは駄々っ子のように訴え赤子のように泣きました。
吠えるように泣きました。
雨のように泣きました。
私の胸に痛い痛い恵さんの声です。

秋田行は、このためにあったんだね。
ありがとう。




さてこの翌日、私は大恩ある山形のかあさんのところに行くのです。
まだ続いても許されるかしら。
背景のヤマボウシの花は鳥海山1合目あたりのものです。