北海道の田舎で育つ…犬ぞり編

テレビ普及以前の、地方色豊かな時代の話です。
ただただ狭い世間で生きているの~んびりした子供。
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狭小山間地の農家で生まれた私は二人の兄がおります。
幼い私の遊び相手は兄たちと犬、猫、ヒツジと牛、馬。
そして飼われていたアイヌ犬(現在は北海道犬と言いますが当時の言い方で書きます)テルよりも序列は低いのでした。
つまり「げっぱ」です。北海道弁
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当時我が家は酪農家。

兄妹は幼い時から仕事が割り当てられており、その中に牛乳の集乳缶回収というのがありました。
自宅引き込みの道のりだけですから300メートルも無いのですが子供にはなかなか。

ミルクを20リットル容量くらいの円筒缶にいれ、絞った量数缶を大きな道路のふちにある集荷場所に置きます。
それは前日出した缶と交換されるので、空き缶を回収せねばならないのです。
冬は橇に乗せて運びます。
吹雪いても凍てついても、それは「兄二人の!」仕事です。

ある日長兄は考えました。
「犬にそりをひかせれば楽だなあ。」
行動派の兄は即実行です。
テルに荒縄を巻き付け、それを橇の引き綱と結びます。
次兄も一緒に工夫しています。
そして、立派な1頭立て犬ぞりの完成!
一緒に喜ぶ愚かな私。(ここはわたくし読みですよ)
ああ!いたいけな…、再びです。笑

それは初の犬ぞり運搬なのです。
試験もしていません。
そして、橇には操作する人が必要です。
いいえ!
必要だったのは操作する人ではなく、乗っても大丈夫か確かめられる道具です。

「おまえ乗れ!」
おまえを最初に乗せてやるんだ、ありがたいと思えのシステムで
運命は否応なく決定しています。

かくして集乳缶の空き缶と一緒に私は橇上の人。

兄が手を離すと同時にテルはダッシュ
しかも、雪道ではなく新雪モリモリの畑を突っ切る。
ああ、すごい!ちょっといい感じ…かも??



北海道の家の周りには防風林があります。
それはカラマツだったり雑木が植えられています。
畑を突っ切ればどうしても防風林に行くんだ。
行くんですよ、テルは抜けても橇は抜けられない防風林に。


当然の結果ですが、私も集乳缶も、縄がとれた橇もいっぺんパンに飛んでしまったのです。
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言うまでも無く犬ぞり計画は私の飛翔とともに終了しました。





当時の写真は風景だけも残っていないので、今年の冬景色をお口直しに一枚。
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長々ありがとうございました♪
今夜はこれから派遣先の新年会です。
行ってきま~す。










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