人は生きてきたように…

13日から通った100キロドライブの日々が完結しました。

一軒の家の始末をしていました。
師と仰ぎ父母とも慕った人の家です。
お二人ともに陶芸作家。
父は造形を追及し母は感情を表現する作品でした。
そして歌人であり詩人。

一人暮らしとなっていた母が病に倒れ、一命取り留めましたがホームに。
戻ることがかなわぬ身となり、売却決まりこのたびのはこび。
空き家になってからも管理と称して別荘のようにしていたのでした。

35年ほどのお付き合い。
この家は全室床暖房、温泉付き。
よく来たといって温泉、晩酌前にといって温泉、温まって寝ろと言って温泉、朝洗顔に温泉…とにかくお世話になりました。


コーラ色の、肌ツルツルすべすべになる湯です。
手のひらを縦に入れると手首まで入れたくらいで指先が見えないコーラ色。
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家をしまうという作業は感傷に浸ることを許さない過酷なものです。
心の目を固くつむってやり遂げる、それしかない。
遠方に暮らすひとり娘と、娘と名乗る母の友人達で4日間の激闘。
母は85才ですが友人はみな娘と同じ年頃です。
さんざめきながら紛らわせてどんどん片付けます。
それぞれの胸の中に去来するものをたたみこんで、一軒空っぽにしました。

娘と、たくさんの娘もどきを持つ母の生き方をあらためて見つめる。

人は生きてきたように死んでゆく

友人が私に話した一言を思い出しているこの頃です。
あ、母はまだ生きてますよ!
頭も明快になりました。あはは♪










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