秋田作品展の旅2018 その5 優しい家族


作品展後のゆるゆるな気持ちで散策と酒盛りを二日二晩。
結果も未来も考えず過ごさせてもらえるこの時。
お世話になりました。
さて、秋田に戻りますか。

恵さんの家に戻り、ご挨拶もかねて由緒正しい紙問屋さんに二人で出かけました。
最初の曲がり角にある駐車場の看板あたりに少年たちが3~4人。
気にせず通過する私の腕をつかんで恵さんが叫ぶ。「猫だ!」
あ~あ、こりゃあイカンよ。
マズイ、絶対。

目が見えていない、多分1か月を過ぎ2か月にはならなそうなやせこけたちび猫。
このままでは明日は来ないだろう様子で鳴いています。
どうするんだ?!
このままおいてはいけない恵さんと私。
いつの間にか近所の高級料亭の板さんと言う人も立っていて言います。
「かあさん猫と仔猫が3匹、しばらくこの辺りにいたんですけどここ2日ほど見なくなったんです」



 耐えきれず拾いました!手の中であらがう力なくそして安堵があるように感じます  
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北海道に連れてゆきます。
移動に耐えられないかもしれないけれど、それでも乗り越えないとね。

恵さんの家に連れ帰り、ショップであれやこれや調達。
まずは離乳を信じて食べさせる。
目の手当てをしてみて、ひどい下痢症状もあるので抗生剤も必要。
ドクターの友達フル協力。

あ~良かった、ウミやコベを時間かけて静かにとったら目が開き、見えるんだね♪
極少量の抗生剤も1回で効果が出てきたので負担多すぎるから即停止。
赤ちゃんミルクと赤ちゃんフードをメチャな回数で分けつつ与えて。





恵さんに抱かれて
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帰宅して晩酌の恵さんダーリンにも抱かれて
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「でもフェリーの中ではご飯も食べられないし温度調節も出来ないんでしょう?その間に死ぬかもしれない?」
恵さんも私も心配していることは同じ。
でも、しょうがないよね、万が一のことがあっても。
だけど万が一の確率は下げたい。

それから出発まで2日間の短い時間にあちこち電話作戦で引受先も探してみます。
その間に恵さんダーリンが段ボール箱で移動ボックスの製作。
長男君は速攻帰宅して寝不足決定の夜間見守り役。
そしてとうとう恵さんが言い放つ。

「わがった。うぢで飼う。(わかった。うちで飼う)」

ダーリンがOKしてくれたそうで、人生初の飼い猫、猫飼い。
そしたらそれまで発言を控えていた長男君が優しさ全開。
「たすき」と命名して猫のおとうさんになりました。



     そのようなことがありまして私はまた一人フェリーに乗り
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風呂に入って
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未来に地震の被害があるなどと思いもせずに厚真町も安平町も駆け抜けて
秋田作品展の旅2018 の旅を終わりました。



最後に庄内の(山形の、かもしれません)方言を一つ
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「うだるな」とは「捨てるな」。
うだるな!猫。
人間には使わないそうだから猫にも使わないかもしれないけれど、うだるな!

遣る瀬無い思いを救ってくれた恵さん家族に感謝。