秋田作品展の旅2018 その3 会いたかったひと


今年こそ、秋田上陸の時何をおいても訪ねたい友達のご両親のお宅。
昨年の作品展では実現できず、だから今年こそ。



     夜じゅう荒れていた海も到着するころには晴れました

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早朝に上陸。
秋田市から少し離れた町にそのお宅はあります。
訪問の約束時間には早すぎるのですがその町まで移動し、時間までなんとなく緊張してそのあたりで過ごします。
そして。

ああ、お父さんが表に立って待っている。
車寄せに停車してすぐにご挨拶もそこそこ玄関を入ると。
おかあさんがたたきに立って出てこられるところ。

初めてお会いするお二人です。
玄関ですでに、こらえていた涙がこぼれます。
友達が、どんなふうに大人になったのかご両親の姿をみてとても伝わったので。

居間にとおされると、あけ放っていつも気持ちがかよっている場所に、彼のための仏壇と遺影。
勝手に、無作法にも仏壇の前に行ってしまいました。
ご両親にはとても申し訳なかったけれど、しゃくりあげてしばらく泣きました。
実に11年。
その遺影を選んだご両親の心が痛く、そして、逝ってしまった彼が惜しまれて泣きました。

それから2時間ほどもご両親と語り合い、初めてお会いしたとは思えない時間を過ごさせていただきました。
深く潜行しているでしょう悲しみは静かな笑顔に。
語っても語っても尽きることがない彼の話は今も生きている。
彼がちょっと出かけている間にお邪魔したような、あるいはそこに一緒に座しているような、そんな時間。
彼の豊かな人間性を育んだ裏打ちのすべてをご両親にお会いして理解したように感じました。

なかなかに別れがたい気持ち。
来年もまたお会いしましょうと約束してお暇。
お会いできてよかったとしみじみ感じ入りました。


と別れてきたのですがなんと!
連日会場においでいただいて、それはそれは嬉しい再会、再会。
遠いのにありがたいやら申し訳ないやら。

うんと若くに逝ってしまった親不孝なあなたの話を、ご両親と一緒に来年もしたいと思います。